アフターケアー

陶器・陶磁器

器の使いはじめ

器の使いはじめには、糸底(高台)の点検をしてください。ざらつきが残っている場合は、目の粗いサンドペーパー(80番程度)かけ滑らかにします。糸底のざらつきは、食卓や他の器を傷つける原因になるので注意が必用です。陶器の器には、敷物を使用することをおすすめします。

使う前の一手間

陶器は吸水性が高いので、汚れがしみ込みやすいという性質があるため、使い始める前に、ひと手間かけることをおすすめします。 その手間とは、鍋に器がかぶるくらいの米のとぎ汁を入れ、器が動かない程度の火で15分ほど煮沸します。 冷めるまでおいてから、水ですすぎ洗いし、自然乾燥させます。 こうすることで、粘りのあるとぎ汁が土の粒子同士のすき間を埋め、汚れがしみ込みにくくなります。 磁器は吸水性がないので、表面の汚れを洗い流すだけでOKです。

料理をもるときの気配り

料理をもるときにも気配りが必要です。 貫入のある器、志野、萩や焼き締めのものは、ふだん使うときにも、毎回、水かぬるま湯に浸水分を含ませ、軽く拭いてから料理を盛るようにします。 そうすることで、料理からの汁気・油分が器にしみ込みにくくなり、汚れ・臭いの原因を予防することができます。 こういった気配りは、器に更なる味と深みを与えますので、面倒でもぜひ習慣にしてほしいと思います。 とはいえ、陶器は使い込むうちに、どうしても濃淡のしみが出てきます。 年月とともに、どうしても色が変化していくのも、陶器ならではの楽しみと考えてください。

洗い方

洗うときは、器がもっとも破損しやすいので一つ一つていねいに洗ってください。 特に素地のやわらかい陶器は、縁が欠けやすいので注意して扱う必要があります。 器は基本的には台所用洗剤を含ませたスポンジで洗います。 土もの、焼締めの器や無釉の部分はタワシなど、凹凸のある表面などは、毛先のあるブラシで洗うと、汚れがきちんと落ちます。 すすぎ後、熱湯にさらして乾燥させるのが一番良いです。 良く乾燥させてから収納しないと、カビの原因となるので注意が必用です。 食洗器の使用もカビ防止には効果的です。 また収納の際、大切な器は和紙などを挟み重ねるなど、気を配る必要があります。

ガラス

ガラスの取り扱い

ガラス器の取り扱いには、充分気を配る必要があります。ガラスはもともと繊細で壊れやすいもの、特に食器を洗う際に事故が起きやすいものです。食器同士ぶつかったりすると、薄手のものはどうしても割れやすいものなので、他の食器と一諸に洗わないことをおすすめします。洗うときは、柔らかいスポンジで洗剤を使用しぬるま湯でていねいに洗います。熱湯はガラスを破損させる恐れがあるので避けるようにします。すすいだら、ケバの立たない布で充分に水気を拭きとります。二度拭きが、ガラスに透明感を与えます。

くもりや汚れの取り方

器のくもりや汚れの多くは、水アカが原因です。その場合は、漂白剤を使用して輝きを取り戻すことができます。また、ガラス器は使用がすすむにつれて、どうしても細かい傷がつきますので、研磨効果のあるスポンジを使うことで傷を目立たなくすることをおすすめいたします。薄手の器を重ねて収納すると、ひび割れの原因になるので、器の間に薄紙を挟むようにします。

木工

木のお手入れ

木地仕上げの器は天然のオイルで仕上げられています。家庭でもオリーブオイルやクルミオイルなどの植物油を塗ることで、木肌の色艶が増し表情が豊かになり、木の肌触り、色艶をいつまでも楽しむことができます。使っていくうち乾いた感じになっってきたら、またオイルを塗るようにします。天然のオイルは固着力が弱いため、時々補うことが必要です。

木の取り扱い

取り扱いについては、タブーさえ守ればいたって簡単です。使用後は薄めた洗剤をスポンジに含ませてぬるま湯で洗い、水分を拭きとってからよく乾燥させます。浸け置きにしたり、濡れたままにしておくことは器を傷める原因になりますので注意してください。また食器洗浄乾燥機、電子レンジなどの使用は避けてください。保管場所も冷蔵庫の中など、直射日光も避けるようにしてください。

塗装について

<プレポリマー> 木の組織に染み込み、木の水分と反応し固まる樹脂。 食品衛生法にも適合し、木製の学校給食器にも使用されている安全な塗料です。
<鉄漿染(かねぞめ・おはぐろぞめ)> 酢酸に鉄を溶かした溶液(食用酢で鉄釘を溶かした液)を木に塗り、気に含まれるタンニンと反応させ色を染めています。 昔から、お歯黒や草木染めに使用されている用法です。 <クルミオイル・蜜蝋ワックス仕上>
ミツバチの巣の成分である蝋に食用のクルミオイルを混ぜたものをワックスとして使用。